MCP(Model Context Protocol)は、AIアプリケーションと外部システムが、共通の方法で機能や情報をやり取りするためのプロトコル。
プロトコルとは
通信するときの共通ルール。
「どういう形式で、どんな順番で、何を送れば、相手がどう返すか」
を決めたもの。
人同士の会話でいうと、
- 最初に挨拶する
- 相手の話が終わってから返す
- 日本語で話す
- 質問されたら回答する
みたいな。コンピューター同士は空気を読めないので、これを明確に決める必要があって、そのルールがプロトコル。
HTTPもプロトコル
ブラウザがWebサーバーにアクセスするときは、HTTPというプロトコルを使う。
GET /users/123と送ったら、
200 OK
{
"id": 123,
"name": "Taro"
}のように返す。
ここでは、
GETやPOSTなどの送信方法- ヘッダーの形式
- ステータスコード
- リクエストとレスポンスの構造
などがHTTPのルールとして決まっている。
MCPでいうプロトコル
MCPも同じで、AIアプリケーションとMCPサーバーがやり取りするためのルールを定めている。
たとえば、
AIアプリケーション
↓ ツール一覧を取得したい
MCPサーバー
↓ このToolがあります
AIクライアント
↓ このToolをこの引数で実行したい
MCPサーバー
↓ 実行結果はこれですこのとき、
- Toolをどう定義するか
- Tool一覧をどう取得するか
- Toolをどう呼び出すか
- 成功やエラーをどう返すか
- クライアントとサーバーがどう接続するか
といった共通ルールがMCP。
つまり、
みんな同じルールに従って、つながるものを作ろうね
というのがプロトコル。
MCPがないと何が困るのか
AIアプリケーションからGitHub、Notionなどの外部サービスを利用したいとして、
MCPがない場合、AIアプリケーション側はサービスごとに異なる仕様へ対応する必要がある。
AIアプリケーション
├─ GitHub API用の連携処理
├─ Notion API用の連携処理
└─ microCMS API用の連携処理当然サービスごとに、
- 認証方法
- APIのエンドポイント
- リクエストの形式
- レスポンスの形式
- 利用できる機能
- エラーの扱い
などが異なっている。
そこで、外部サービス側がMCPという共通ルールに従って機能を公開する。
Cursor ─┐
Claude ─┼─ MCP ─ GitHub MCP サーバー
その他 ─┘AIアプリケーション側は、GitHub固有のAPI仕様ではなく、MCPのルールに従ってToolを発見・実行できる。
Toolが実行されるまで
たとえば、ユーザーがAIアプリケーションに、
「GitHubにIssueを作成して」
と依頼したとすると、次のような流れでToolが実行される。

AIアプリケーションがGitHub APIを直接呼び出すのではなく、MCPサーバーが公開しているToolを実行する。
GitHub APIの呼び出しや、レスポンスの変換はMCPサーバー側が担当するため、AIアプリケーションはMCPのルールさえ知っていればOK。
MCPは誰が決めたのか
MCPは、Claudeを開発しているAnthropicによって作られ、2024年11月にオープンソースとして公開された。
その後、2025年12月にAnthropicから、Linux Foundation傘下のAgentic AI Foundation(AAIF)へ寄贈された。
現在はAnthropic単独のものではなく、Linux Foundationの中立的な管理下にあるオープンソースプロジェクトとして運営されている。
ただし、Linux FoundationがMCPの技術仕様を直接決めるわけではなく、
仕様の方向性や日々の意思決定は、MCPのメンテナーやワーキンググループが、コミュニティからの提案をもとに進めている。
つまり、
- 最初に作ったのはAnthropic
- 現在の管理母体はLinux Foundation傘下のAAIF
- 実際の仕様を決めるのはMCPプロジェクトのメンテナー
という形。
まとめ
MCPは、AIアプリケーションと外部システムが、共通の方法で機能や情報をやり取りするためのプロトコル。
プロトコルとは、通信するときの共通ルールのこと。
MCPでは、Toolの定義や呼び出し方、結果の返し方などが決められている。
そのため、AIアプリケーションはサービスごとのAPI仕様を直接扱うのではなく、MCPサーバーが公開するToolを共通の方法で利用できる。
つまりMCPは、AIと外部システムをつなぐ方法を標準化する仕組み。
参考資料
- Introducing the Model Context Protocol - Anthropic
MCPが公開されたときのAnthropicによる発表 - Model Context Protocol Specification
MCPの公式仕様 - Governance and Stewardship - Model Context Protocol
MCPの運営体制や、技術的な意思決定の仕組み - Linux Foundation Announces the Formation of the Agentic AI Foundation
MCPがLinux Foundation傘下のAAIFへ寄贈された際の発表